3-1 マインドコントロールの方法

人間は生まれたときは「真っ白なキャンパス」です。それが、外部の情報によって染められ、それをベースに「個人の価値観」が作られています。

つまり、私たちが「個性」だと信じていることも、所詮は「刷り込まれた外部情報の産物」にすぎず、あなた起源の「完全オリジナル」ではありません。

これは、人間は誰もが「マインドコントロールをされている状態」とも言えます

私たちは、自分が常に外部(他人)にコントロールされていることを自覚しなければなりません。無自覚でいることは、自分の人生を他人に振り回されるのを許容することだからです。

そこで今から、人間がどのようなメカニズムで洗脳をされるのか「マインドコントロールの5つのやり方」を暴露します。洗脳手口が分かれば、洗脳を解く方法も見えてきます。

沢山の選択肢を与えるが「同じ結論に誘導」する

この洗脳のやり方は、相手に「自分の意思で選択した」と錯覚させながら「誘導尋問」をするテクニックです

例えば「ジュース、塩、ジャム」から、あなたの意思で1つ選んでください。次に、あなたが選んだものと関係するものを「りんご、海水、カレー」から1つ選んでください。

さらに、先ほど選んだものと関係するものを「電池、赤い、辛い」から1つ選でんください。最後に、先ほど選んだものと関係するものを「パソコン、地球、とうがらし」から1つ選んでください。

・・・あなたが選んだのは「とうがらし」ですよね?

これは単純な例なので、途中でメカニズムに気づいた人もいるでしょう。しかし、洗脳を巧みにかけてくる連中は、もっと複雑な内容で仕掛けてくるため、気づくのが困難です。

ただ、この洗脳のやり方を知っておくことで、洗脳を仕掛けられていることに気づくトリガー(きっかけ)になります。

短いフレーズの情報を繰り返し刷り込み洗脳する

この洗脳のやり方は、政府やマスコミが大衆を誘導する際に、頻繁に使う王道手法です。

断片的で刺激的な分かりやすい「ワンフレーズ」を繰り返し発信することで、相手に印象だけを刷り込み、思考停止させるテクニックです。

例えば「既得権益、自由貿易、鎖国、バスに乗り遅れるな、グローバル、国の借金」などが典型的なワンフレーズの例です。

本来、人間は「考えることが面倒な生き物」です。そのため、短くて分かりやすいフレーズを繰り返し聞かされることで「分かったこと」にしてしまい、考えることから逃げる習性があります。

特に、日常的に自分で考える癖がなく、周囲に流されやすい人は、この洗脳テクニックは効果てきめんです。

また、洗脳をかける側も「相手が首を縦に振るまで刷り込み続ける」というマインドで仕掛けてきます。さらに、ほとんどの人はこのテクニックで洗脳されるため、思考力のある人でも「同調圧力」に屈し、いずれ順応してしまいます。

特に、政府、マスコミ、世間体などの「社会的権威からの同調圧力」は、いくら意思の強い人でも、マインドコントロールから逃げることは困難です。

密室に閉じ込めて情報を遮断する

この洗脳のやり方は、悪質な営業や勧誘で良く行われる手法です。

密室に閉じ込めることで、外部からの情報を遮断し「画一的な情報」しか受けられない状態にします。ここでいう「画一的な情報」とは、洗脳を仕掛ける側にとって「都合の良い情報」を意味します。

こうすることで、洗脳を解いてしまう「不都合な情報」をシャットアウトします。次は、相手の脳内に残っている「不都合な情報」の消去と書き換えをします

相手の脳内に残った「不都合な情報」を消去する手口は、相手の考え方を複数人で全面批判することです。否定を徹底的に繰り返すことで、相手に「自分の考え方は間違っている」と思い込ませます。

相手の思考がブレてきたら、洗脳を仕掛ける側が刷り込みたい「都合の良い考え方」に誘導尋問し、相手がそれに従ったとき、初めて褒めて認めます。

その結果、相手は人間の本能である「自己承認欲求」が満たされ、洗脳側の都合の良い考え方や発言を繰り返すようになります。

洗脳が完了したとき、洗脳を仕掛ける側は歓喜し、涙を流して抱き合うなど、相手の自己承認欲求を満たす「最高の演出」でもてなし終わります。

「極限の恐怖を与える&開放する」を繰り返す

この洗脳のやり方は「密室を使ったマインドコントロールの発展型」であり、より強力な手法です。

まず、洗脳を仕掛ける側は、暴力や暴言を使って極限の恐怖を与え「支配する側と支配される側」の上下関係を築きます

人間は、自分よりも「上」だと認識した者の発言を、素直に聞いてしまう習性があるためです。

また、極限の恐怖を与えられることで、身体的にも精神的にも弱ってしまい「無力感や無価値感」を持ち始めます。つまり、支配する側の価値観をより受け入れやすい心理状態が完成します。

こうして、相手が価値観を受け入れ始めたら、洗脳を仕掛ける側は、恐怖状態から急に一転して「安心」を与えます。

人間が本能的に求めている「安全」を一時的に与えることで「従うことが善」だと学習させ、洗脳を定着させる手口です。

その後も「恐怖→上下関係(優先順位の明確化)→無力感(無価値感)→価値観の刷り込み→安心→恐怖→」は、洗脳が完璧に定着するまで繰り返されます。

分かりやすい例では「ドメスティックバイオレンスの夫や彼氏から離れられない女性」が、この洗脳メカニズムに該当すると言えます。

また、先の大戦で中国共産党の捕虜となり「撫順戦犯管理所」に収容された日本軍の兵士(現在の中国帰還者連絡会)が、この洗脳を受けたという説があります。

自己否定感を埋めてあげる

前述したように、洗脳のやり方として「批判と恐怖」を与えることが王道的に使われます。これは、人間が自己否定に苛まれたときにマインドコントロールにかかりやすいためです

そのため、普段から「自己否定感の強い人」は、洗脳にかかりやすい人と言えます。

もともと自信がない人、劣等感が強い人は「自分=非力」と考える癖があります。これは裏を返すと「私は無力なので他力で人生を変えるしかない」という思考が根底にあることを意味します。

実際、自己否定感の強い人は「権威的な情報」に妄信しやすい傾向にあります。例えば、成功者が主催する自己啓発セミナーや、ネットワークビジネスにはまりやすいタイプがそうです。

また、自己啓発セミナーやネットワークビジネスの環境では、参加者の自己肯定感を満たす「ポジティブな情報」もシャワーのように浴びることができます。

結果、自分の心のスキマにあった自己否定感が癒され「居心地の良い環境」として依存してしまいます。

私は、自己啓発セミナーやネットワークビジネスを否定する立場ではありません。ただ「本来の目的」を忘れ、その環境にいること自体が目的化してしまう人が、非常に多いことを危惧します。

ここを冷静に見ないと、権威者の意のままに動かされる「マインドコントロール状態」に陥ってしまう危険性があります。