グライダー人間と飛行機人間の違い。
漂っているだけで、うまく上昇気流に乗れれば成功する人間が、グライダー。
必死にもがいて努力して成功するタイプが飛行機。
私は飛行機タイプなのでしょう。
グライダータイプに憧れますが、本書では飛行機タイプを薦めています
学校教育にもメスを入れています。
何でも親切に教えてしまう学校。
だから、自分で考える力が育たないと。
私が小学校の頃の先生ですが、ある程度ざっくり教えてから、「質問はないか?」と聞かれる授業でした。
質問無く次にいこうとすると、先生から、こんな風に質問されるのです。
「ろうそくが燃えるのは分かったが、何故内と外で色が違うのか?」と。
毎授業、こんな感じなので、必死にもがいて考えます。
そんな癖が、この本に共感をもたらしました。
今の学校は意味を押しつけてしまって、好奇心を働かせる前に教えてしまっている。
生徒に早く意味をわかるようになりたい、と思う心を募らせる。
これが勉強の基本だと思います。
学校では先生に従順であることが尊重されて、少しでも外れた者がいたら、問題有りとチェックされるのも、弊害です。
生徒のやる気を喪失させ、つまらない授業で終わってしまうのです。
この問題についてどのように思考を整理し、どのような姿勢で臨んでいけばいいのか、本書では書かれています。
「メモを取ったという安心感が却って忘却を促進させる。」
会議などで後から見返すためにメモを取ることが多いですが、メモが安心に繋がるのも納得です。
だから、現代人は物事を覚えなくなったのかもしれません。
色々と考えさせられる興味深い一冊です。
思考の整理学 (ちくま文庫)
作者: 外山 滋比古
出版社/メーカー: 筑摩書房