先日、学問のすすめを読みました。
一万円札になってるあの諭吉さんの本です。
今まで、所詮、昔の文学でしょ、と、馬鹿にしていたのですが、
「天は人の上に人を作らず、人の下に人を作らず」の次のフレーズから、心にグサッと刺さりました。
以前はこのフレーズって、博愛主義の平等大好き人間の発言だと思っていたんです。
でも、実は全く違います。
この後の言葉は、
「この人間の世界は賢い者もいれば愚かな者もいる。
金持ちもいれば、貧しいものもいる。
社会的地位の高いものもいれば、低いものもいる。
こうした雲泥の違いはどうしてできるのだろうか。」
と続くのです。
私の心に、ビクビク響きました。
とても100年前の明治初期の人とは思えない文章です。
鎖国や攘夷が井の中の蛙だと言ったり、
政府と民衆は対等だと言ったり。
今の世の中でも必要な考え方ではないでしょうか。
また、書き方も
ひとつひとつ章立てになっているので、これまた読みやすい構成なんです。
エッセイを集めてきた感じなので、そうなるのでしょうが、
短文の集まりだけど、芯が通った主張がなされています。
さすが、一万円の肖像画になるだけある人物です。
単なる慶應義塾の創始者ではありません。
というか、教育者だからこそ、慶應義塾の創始者になったのでしょう。
怒涛の時代の教育者。
明治5年~8年ほどに書かれたものだから、ちょっと前までは、徳川幕府の鎖国時代だったんです。
それなのに、これだけの認識を持ち合わせているのは見習うべきですね。
特にグローバル化している現代において、
世界に羽ばたく人へ送りたい本です。
世界に羽ばたかなくても、
家で主婦をしていても、
毎日学校と家の往復でも、
会社と自宅の往復でも、
力を与えてくれる本なのです。
後世に名前が残るだけの本です。
少し前、食わず嫌いだった自分が情けなく、恥ずかしいですね。
本屋でも売っていますが、ネットショップでも簡単に手に入ります。
最初の一ページを読んだら、ハマりますよ。(笑)