思考の整理学 外山滋比古 東大・京大で1番売れた本!!!

グライダー人間と飛行機人間の違い。

漂っているだけで、うまく上昇気流に乗れれば成功する人間が、グライダー。

必死にもがいて努力して成功するタイプが飛行機。

私は飛行機タイプなのでしょう。

グライダータイプに憧れますが、本書では飛行機タイプを薦めています

 

学校教育にもメスを入れています。

何でも親切に教えてしまう学校。

だから、自分で考える力が育たないと。

 

私が小学校の頃の先生ですが、ある程度ざっくり教えてから、「質問はないか?」と聞かれる授業でした。

質問無く次にいこうとすると、先生から、こんな風に質問されるのです。

「ろうそくが燃えるのは分かったが、何故内と外で色が違うのか?」と。

毎授業、こんな感じなので、必死にもがいて考えます。

そんな癖が、この本に共感をもたらしました。

今の学校は意味を押しつけてしまって、好奇心を働かせる前に教えてしまっている。 

生徒に早く意味をわかるようになりたい、と思う心を募らせる。

これが勉強の基本だと思います。

学校では先生に従順であることが尊重されて、少しでも外れた者がいたら、問題有りとチェックされるのも、弊害です。 

 

生徒のやる気を喪失させ、つまらない授業で終わってしまうのです。

この問題についてどのように思考を整理し、どのような姿勢で臨んでいけばいいのか、本書では書かれています。

「メモを取ったという安心感が却って忘却を促進させる。」

 会議などで後から見返すためにメモを取ることが多いですが、メモが安心に繋がるのも納得です。

だから、現代人は物事を覚えなくなったのかもしれません。

色々と考えさせられる興味深い一冊です。

思考の整理学 (ちくま文庫)
作者: 外山 滋比古
出版社/メーカー: 筑摩書房

学問のすすめがすごい

先日、学問のすすめを読みました。

一万円札になってるあの諭吉さんの本です。

今まで、所詮、昔の文学でしょ、と、馬鹿にしていたのですが、

「天は人の上に人を作らず、人の下に人を作らず」の次のフレーズから、心にグサッと刺さりました。

以前はこのフレーズって、博愛主義の平等大好き人間の発言だと思っていたんです。

でも、実は全く違います。

この後の言葉は、

「この人間の世界は賢い者もいれば愚かな者もいる。

金持ちもいれば、貧しいものもいる。

社会的地位の高いものもいれば、低いものもいる。

こうした雲泥の違いはどうしてできるのだろうか。」

と続くのです。

 

私の心に、ビクビク響きました。

 

とても100年前の明治初期の人とは思えない文章です。

鎖国や攘夷が井の中の蛙だと言ったり、

政府と民衆は対等だと言ったり。

 

今の世の中でも必要な考え方ではないでしょうか。

 

また、書き方も

ひとつひとつ章立てになっているので、これまた読みやすい構成なんです。

 

エッセイを集めてきた感じなので、そうなるのでしょうが、

短文の集まりだけど、芯が通った主張がなされています。

 

さすが、一万円の肖像画になるだけある人物です。

単なる慶應義塾の創始者ではありません。

 

というか、教育者だからこそ、慶應義塾の創始者になったのでしょう。

 

怒涛の時代の教育者。

 

明治5年~8年ほどに書かれたものだから、ちょっと前までは、徳川幕府の鎖国時代だったんです。

それなのに、これだけの認識を持ち合わせているのは見習うべきですね。

 

特にグローバル化している現代において、

世界に羽ばたく人へ送りたい本です。

 

世界に羽ばたかなくても、

家で主婦をしていても、

毎日学校と家の往復でも、

会社と自宅の往復でも、

力を与えてくれる本なのです。

 

後世に名前が残るだけの本です。

 

少し前、食わず嫌いだった自分が情けなく、恥ずかしいですね。

本屋でも売っていますが、ネットショップでも簡単に手に入ります。

 

最初の一ページを読んだら、ハマりますよ。(笑)