個人情報保護法(2005年施行)が初めて大幅に改正され、30日に施行される。改正の目玉の一つは、個人情報を誰のものか分からない「匿名加工情報」にすれば自由に売買できるようになることだ。商品の購入履歴などを大量に集めた「ビッグデータ」をビジネスで活用しやすくするのが狙いだが、どこまで加工すれば安全か一律の基準はなく「一般の企業は利用に二の足を踏むのではないか」と指摘する声もある。
匿名加工情報は、個人が特定できないように加工し、復元もできなくした情報。作成する企業や団体はホームページなどに加工後の情報の項目を公表すれば、本人の同意なく第三者に提供できるようになる。
政府の「個人情報保護委員会」はガイドラインなどで、氏名を削り、住所は市まで、生年月日は月までにするなどの加工例を示した。
しかし、最終的な判断は業界ごとの自主ルールに委ねる。JR東日本は13年、IC乗車券「スイカ」の乗降履歴データを加工し、乗客に十分に説明せずに市場調査用として日立製作所に販売。苦情が相次ぎ、契約解除に追い込まれた。今後の匿名加工情報の利用について、JR東日本広報部は取材に「検討は進める予定だ」と説明した。
個人情報保護に詳しいコンサルタント業の佐藤慶浩氏は「どこまで加工すれば十分安全になるのかの基準を、あらゆる用途に共通で示すのは無理だ。匿名加工情報の利用は当面、(専門的な)データ収集業者などに限られ、一般企業は手を出しにくいのではないか」と話す。
一方、改正法では個人情報保護策も講じられる。人種▽信条▽病歴▽犯罪被害歴▽犯罪の前科・前歴--などを「要配慮個人情報」と定義し、本人の同意なく集めたり、使ったりすることを原則禁じる。人間ドックの結果、風邪薬を含む投薬、捜索などの刑事手続きなど幅広い情報を含む。違反を警戒するあまり、災害時などに必要な情報提供が阻害されないか、心配する声も出ている。【青島顕】
◇個人情報保護法の主な改正ポイント
・指紋、歩行の動作、旅券や運転免許証番号、マイナンバーなども「個人情報」に
・5000人以下の個人情報を扱う中小企業、同窓会、マンション管理組合などを新たに法の適用対象に
・不正な利益を得る目的で個人情報データベースを提供、盗用する行為を処罰し、違反すれば1年以下の懲役または50万円以下の罰金に
名簿屋が儲かるなぁ
マーケティングの基本はリストどりだけど、名前がわからないって言っても、趣味趣向とメールアドレスがわかれば、それだけで商売が成り立つもんなぁ。
良いリストがあったら、買いたいと思うのは自分だけではないはず。
簡単に詐欺商材を買う人のリストなんか、高値で取引されるはず。
政府は何を目的にしてこの法律を制定するのか、それがわかるとまた面白い話になるのかも。
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