眞子さまご婚約の裏で…「陛下はご不満」「安倍官邸は怒髪天」対立の構図

デイリー新潮 5/31(水) 5:57配信

 虎の尾を思い切り踏むような振舞だった。「降嫁」、すなわち内親王が皇族以外の男性に嫁ぐことが政治的な意味合いを孕んできたのは歴史的事実であり、顰(ひそみ)に倣ったのか、宮内庁は慶事の裏で官邸を出し抜いていた。むろん「安倍官邸は怒髪天」の反応を見せたが、「陛下はご不満」という抜き差しならぬ対立の構図が浮かび上がって来たのである。

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「ウチは5月16日、『ニュース7』が始まる1分前の18時59分から、『眞子さま、婚約へ』の速報を放送しました。その原稿にはスクープを表す『特』の字が記されていたんです」

と、NHK局員のひとり。

「去年7月13日の『生前退位』報道も同様で『特』扱いでした。宮内庁担当の橋口和人キャップがスタジオで解説するというスタイルも一致しています」

実は、この「生前退位」報道に官邸は当時、不快感を隠しきれなかった。宮内庁関係者が振り返って、

「陛下はかねてより、『皇室の安定的な存続』や『象徴天皇のあり方』に頭を悩まされてきました。したがって、女性宮家創設や生前退位について前向きに検討してもらうよう折に触れて官邸へ“ボール”を投げて来たのですが、安倍政権はそれを喫緊の課題と受け止めることはありませんでした。そんななかで宮内庁は国民的な議論を喚起すべく、NHKへ『陛下のご意向』をリークした。その流れを官邸は意趣返しと見て取ったわけです」

そして去年の8月8日、陛下ご自身が発表された「おことば」においても、「摂政を置いて、陛下の公務の負担軽減を図る」という官邸側の思惑を陛下は明確に否定されている。放送局は同じ、解説者も一緒。今回の報道もまた、官邸への不信感を募らせた宮内庁が発信源と見て間違いあるまい。

折も折――。否、陛下の胸中はそんな甘いものではないという直接的なメッセージを毎日新聞が5月21日、朝刊1面トップで伝えている。それは、

〈陛下 公務否定に衝撃〉

という見出しの後に大要、

〈天皇陛下の退位を巡る政府の有識者会議で、保守系の専門家から「天皇は祈っているだけでよい」などの意見が出たことに、陛下が「ヒアリングで批判をされたことがショックだった」〉〈「一代限りでは自分のわがままと思われるのでよくない」と語り、制度化を実現するよう求めた。「自分の意志が曲げられるとは思っていなかった」〉

などと、政府への不満を陛下ご自身が示されていたと報じたのだった。

■“いる意味がない”

 そこで、政治部デスクに官邸側の動きを紹介してもらうと、

「NHKの報道があった夜、菅さん(義偉官房長官)は苛立った感じでした。番記者とのオフレコ懇談の場で、“婚約の噂があるのは知っていたけど”としつつも、“また皇室から離脱される方が出ましたが”という質問にはほっかむりの体だったからです」

女性宮家問題と絡めて語られるのを忌避したいと顔に書いてあったとかなかったとか。

官邸関係者が後を受け、

「菅さんの苛立ちは当然のように宮内庁へ向けられていて、ある席では、“河相(周夫)はどっち向いて仕事してるんだ”と、陛下に仕える侍従長を詰(なじ)っていました」

河相侍従長が陛下のために粉骨砕身するのはその肩書から言って当然のこと。とはいえ菅官房長官が腹に据えかねたのは、陛下周辺の意を受けた侍従長が、民進党の野田佳彦幹事長と接触したりするなど、退位を「一代限り」ではなく「恒久的」なものにする可能性を探っていたことについてだ。それに加えて、

「官邸内の声を拾っても、“女性宮家の議論を盛り上げようとしているんだろうけど宮内庁はやり過ぎだ”というものばかり。元警視総監で内閣危機管理監を務めた西村(泰彦)さんを宮内庁に次長として送り込んでいたんですが、“全く機能していないというよりは完全に外されている。いる意味がないよね”などと、更迭を匂わせるような発言も官邸幹部から出ています」(同)

その口ぶりから察すると、思い切り踏まれた尾の痛みが随分と長引いているようだ。ともあれ、改めて宮内庁担当記者の言葉を借りれば、

「生前退位に関する特例法案が閣議決定される『5月19日より前』、というのが大きかったと思います」

ということになる。記者が続ける、NHK報道がこのタイミングでなければならなかった理由は傾聴に値する。

「眞子さまに親しい男性がいるということについて、各社はそれなりに把握していました。それがご結婚に至るかどうか、なかなか確証が持てないからどこも報じなかったわけですが、NHKは何か確かなものを掴んだんでしょう」

宮内庁としても、退位法案が成立した後、ご婚約を発表する段取りではあった。しかしながら、

「それだと、陛下が望んでおられる『皇位の安定的な継承』が十分に審議されないまま話が終わってしまいかねない。皇族の数が減るんだよという事実をいわば切迫感を持って伝えるのに、眞子さまの婚約を特例法案の閣議決定前にぶつけるというのは効果的だと考えたのでしょう」

ピンが外れた手榴弾でも首都に転がっているような情景である。

特集「『眞子さま』祝砲の不協和音」より

「週刊新潮」2017年6月1日号 掲載

新潮社


週刊新潮の一撃。

足並み乱れている様子を報道するのが得意なのかな。

皇族の人たちもネタにされて大変。

「国の象徴」とはいえ、同じ人間。

自分で選んだ人生を歩めない苦しさは大変大きいのではないだろうか。

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