芸能人のインタビューや会見時の「NG質問」指定、よくある話なの?

7/10(月) 11:50配信

出典元:THE PAGE

 最近、映画『ジョン・ウィック:チャプター2』のPRのために来日した米俳優のキアヌ・リーブスが、インタビューの際にパブリシストから「ラーメンの質問はNG」という記事が話題を集めた。

あまり表沙汰にはならないが、芸能人がメディアのインタビューや記者会見、囲み会見時などの取材に応じる時に、こうした“NG質問”を指定することは多い。

とくに、海外の大物俳優やミュージシャンなどは厳しい制約を設けることもままあるが、映画宣伝会社のスタッフはこう明かす。

メディア対応にシビアなハリウッドのパブリシスト

 「キアヌの例は愛嬌がある話ですが、契約の問題上、その俳優が出演している別の作品の話題に触れることをNGにするケースは多い。タレント本人というよりも、映画会社が嫌がるということもあります。映画会社からしてみれば、メディアの取材機会を設けるのは映画の宣伝のためですからね。また、写真撮影を極端に嫌がり、時間を巻こうとするタレントもいる。これが日本人だとある程度は融通をきかせてくれるものですが、ハリウッドスターの場合、撮影中にパブリシストが割り込んできて強引に切り上げたりもします。このあたりも海外は日本に比べるとシビアです」

一方、日本のケースはどうか。

芸能人サイドとマスコミが事前に打ち合わせするケースも

 結婚会見や離婚会見、謝罪会見などいわゆるタレント主導の記者会見のほか、映画やドラマの場合は、公開や放送前に出演する俳優が音楽の場合は新曲やニューアルバムのリリース前にアーティストがそれぞれ報道陣の取材に応じるケースが多々ある。

また、商品のPRイベントの場でイメージキャラクターやCMキャラクターを務めているタレントが取材に対応することもある。

「よくあるのが、直近に週刊誌などで報じられたスキャンダルに関する質問をNGにするケース。ただ、多くの場合、メディアの方もスキャンダル絡みの質問ありきで取材に来ているわけで、その手の質問を完全にNGにするとマスコミを敵に回すことになり、マイナスも大きい。場合によっては、マネジャーやイベントの主催サイドが、現場に取材に来たテレビ番組のスタッフや芸能レポーター、スポーツ紙の記者たちと『ここまでは聞いてもOK』とか、『これ以上の質問は勘弁してくれ』とか、事前に打ち合わせをするケースもあります」とは芸能プロダクションのマネジャー。

とはいえ、各メディアによって“温度差”もあり、打ち合わせがスムーズに運ぶとは限らないという。

「例えば、テレビに関しては映像という“絵”が撮れればそれなりに成立するので、タレント本人がノーコメントでも表情やしぐさなどでニュアンスを伝えることができる。でも、活字媒体の場合はそのあたりのニュアンスを文字で伝えるのは難しく、ある程度ハッキリとした発言を望まれることが多い。さらに、相手が週刊誌となると、テレビやスポーツ紙のように普段からの“お付き合い”があるわけではないので、厳しい質問をぶつけてくることもありますからね」(同芸能プロマネジャー)

アイドルや特撮ヒーローは“黒歴史”なのか

 また、スキャンダル絡み以外のNG質問も多々あるようで……。

「タレントイメージを意識してか、妻や夫、子供など家族の話はNGというケースも多々あります。最近多いのはアイドル出身の人が、俳優や女優に転身した際、アイドル時代の話をNGにするケース。アイドルのイメージを脱却し、俳優、女優としての地位を築きたいという思いがあるのでしょう。似たようなパターンとしては、『過去に出演したアノ作品には触れるな』なんてピンポイントなNGもあります。いわゆる“黒歴史”なんでしょうね。今でこそ、特撮ヒーローものは多くのスター俳優を輩出している登竜門的な位置づけになっていますが、昔は“NG作品”になるケースも多かったです」とは数多くの俳優、女優をインタビューしているフリーライター。

中には、アイドルとして活躍しているにもかかわらず、映画絡みのインタビューの際には“アイドル”という表記をNGにし、“女優”という表記をメディアに押し付ける現役アイドルもいるという。

タレントよりも所属事務所主導のNG質問も

 ともあれ、この手の“NG質問”は本人というよりも、所属事務所がタレントを売り出す際に戦略上NGにしているケースが多いとか。

「タレント本人は結構気さくに家族の話だったり、アイドル時代の話だったり、過去の出演作の話だったりをしてくれることも多いんです。ただ、インタビューした後で、マネジャーから『あの話はナシで』と言い含められたり、原稿チェックの段階でバッサリと削られていたりするんですよね」(前出のライター)

ちなみに、所属事務所による“NG質問”としては、

「過去の栄光ではありませんが、以前に話題になった作品やCMなどが、現在の事務所の仕事ではない場合、触れたがらない傾向はあります。また、俳優仲間の話題などで相手の俳優があまり良好な関係ではない芸能事務所に所属しているとNGになることもあります。万が一、揉めたりするのが嫌なんでしょう」(同ライター)。

芸能評論家の三杉武氏は語る。

「これだけインターネット上に過去や現在の情報があふれている昨今。どれだけスキャンダルをスルーしようとしたり、黒歴史を封印しようとしたりしても、かえって不自然になるだけでタレント生命にマイナスに作用しかねない。そもそも、“NG質問”になっている要素こそ、世間の関心を集めるものが多いわけで、闇雲に“臭い物に蓋をする”よりも、タレントにとってNGにしたい逆境をプラスに転じる方法を考えることが、所属事務所やマネジャーにとって何よりも重要だと思うんですけどね」

むやみやたらな“NG質問”が芸能界をつまらなくしているのかもしれない。

(文責/JAPAN芸能カルチャー研究所)


タレントがどんな質問を受けようが、どんな回答をしようが、コチラはい一向にかまわない。

好きな質問をして好きに回答すればいいのではないか。

ただし、プロダクション側から見ると、タレントは商品。

その芸能人が出演する番組や映画も商品。

イメージを傷つけることはしたくないし、

マイナスイメージをも植え付けたくない。

所詮は人気商売だから。

せっかく自分の思うように育てた商品が、

いきなり回れ右をするような行動は、今まで商品を作り上げてきた側からすると、

飼い犬に手をかまれるようなものなのだろう。

「人間」が「商品」なのだから、起こって当たり前。

それだけ、ハイリスク、ハイリターンのビジネスなのだろう。

 

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